Aloha!
今回は、この<FromHawaii>ページでは、11月の記事として掲載していますが、10月の「コロンブス・デー Columbus Day」のお話です。
先月のお話ですが、お付き合いくださいませ。
記事タイトルは、「コロンブス・デー後日譚@運河の見えるハワイの窓辺=11月=」です。
私LIHIU(Lycee International Hawaii Inc., USA)のCEO、Caroline Kazedaが投稿させていただいております。
コロンブス・デー後日譚@運河の見えるハワイの窓辺=11月=
コロンブス・デー(1)
十月はハロウィーンばかりではありません。アメリカ合衆国では、コロンバス・デイ/コロンブス・デー
Columbus Day という祝日が10月12日にあります。
先ずは英語で「Columbus Day」を発音してみましょう。
※Google「Columbus Day」の発音参照
コロンブス・デー Columbus Day という祝日は、イタリアのジェノヴァ出身であるクリストファー・コロンブス(Christopher
Columbus/伊: Cristoforo Colombo、羅: Christophorus
Columbus、西: Cristóbal Colón、葡: Cristóvão
Colombo、1451年ごろ生まれ - 1506年5月20日没)が1492年にアメリカ大陸を発見したのを祝う「連邦の祝日」です。
確かに、コロンブス・デー Columbus Day は「連邦の祝日」ですが、祝日と認めていない州も複数あります。
アメリカの正式国名は「アメリカ合衆国」で、英語で書くと「United
States of America ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ」で50の州および連邦区などから構成される連邦共和制国家です。州は独立しています。
「United States ユナイテッド・ステイツ」という言葉は、1865年批准のアメリカ合衆国憲法修正第13条では「the
United States are」という表現があり、もともと複数の独立州の集合体を意味していたので複数形でした。しかし南北戦争が終わってから現在まで、「the
United States」が主語の場合は「is」で受けて単数形として扱います。この複数形と単数形との違いは、州の集合体および単一体の間の違いを反映しているようです。
こういうことからコロンブス・デー Columbus
Day は「連邦の祝日」とは一概に言えないというのは、日本では「国民の祝日」が一律なのと比べると、やはりアメリカは大きな国で多民族国家なのだなぁ~と思います。
コロンブス・デー Columbus Day という祝日を認めていない州は、2割程度あります。
新大陸を発見して先住民族を大虐殺して新天地を作ろうという希望を記念し祝賀するのには異を唱え、先住民族を征服して滅ぼしたという、祝いでなく呪いの始まりだったと解釈する州は同日を「Indigenous
Peoples' Day インディジナス・ピーポーズ・デイ」(先住民たちの日)と呼んでいます。フロリダ州、アラスカ州、バーモント州、サウスダコタ州、ニューメキシコ州、メイン州、ウィスコンシン州、カリフォルニア州一部などです。
アメリカ原住民(アメリカン・インディアン)にとって、アメリカ合衆国の記念祝日である10月12日の「コロンブス・デー」は、「白人による侵略開始の日」という位置づけです。インディアン運動家たちは今から百年以上も前の1911年に「アメリカインディアン協会」を設立し、「全米インディアン・デー」を提唱してオハイオ州コロンバスでの第一回決起大会を開催しています。現在も反「コロンブス・デー」運動は「アメリカインディアン運動(AIM)」などに引き継がれ、毎年この日になると全米各地で抗議行進やデモが行われています。
コロンブス・デー後日譚(2)@運河の見えるハワイの窓辺=11月=
ハワイ州もコロンバス・デーを認めていない州の一つ。ハワイ州としては、別の考えで、ポリネシア人がハワイを発見したとして同日、「Discovery
Day ディスカバリー・デー」(発見の日)や「Discoverers'
Day ディスカバラーズ・デー」(発見者たちの日)として祝います。ポリネシア人は古代航海術に長けていてコロンブスよりずっと早くハワイ諸島も南北アメリカ大陸も発見したんだ、と誇りをもって祝うそうです。
ハワイ州(State of Hawaii )は、50州の中で最後に加盟した50番目の州です。
太平洋に位置する、ハワイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島、モロカイ島、ラナイ島、ニイハウ島、カホオラウェ島の8つの島と100以上の小島からなるハワイ諸島のうち、ミッドウェー環礁を除いたすべての島が、ハワイ州に属しています。
ハワイ諸島では、コロンバス・デー、ディスカバラーズ・デーは10月第2月曜日としているので、毎年日付は異なります。
銀行、債券市場、郵政公社等の公共施設、連邦政府機関、州政府関連事業所、それに学校の一部が休みになります。土曜日から3連休です。
とにかく、米国では祝日も州ごとに、更に、同じ州内でも地区ごとに異なるから、何するにも大変です。別の州に行ってある機関を利用しようとしたら閉まっていた、とか。事前に調査が絶対必要ですね。
あ、最後にクイズを一つ。
コロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見したのに、なぜアメリカはコロンブス(Columbus
イタリア語では「Colombo」)の名前が付いていないのでしょうか?コロンブスが発見したのならアメリカはコロンブスという国名であっても良いのでないでしょうか?
アンサーは、コロンブスはアメリカ大陸の最初の発見者ではない、という判断からです。アメリカ大陸はコロンブス以前にポリネシア人やバイキングによってすでに発見されているというのが現在の通説です。
アメリカ合衆国の「アメリカ」という名称は、イタリアのフィレンツェの冒険家アメリゴ・ヴェスプッチから由来しています。
アメリゴ・ヴェスプッチはコロンブスより後にアメリカ海域の到達に成功しています。
<Amerigo Vespucci アメリゴ・ヴェスプッチ -
Wikipedia>によると、日本語版を引用しますと<1507年、南ドイツの地理学者マルティン・ヴァルトゼーミュラーがアメリゴの『新世界』を収録した『世界誌入門』(Cosmographiae
Introductio)を出版した。その付録の世界地図にアメリゴのラテン語名アメリクス・ウェスプキウス(Americus
Vespucius)の女性形からこの新大陸にアメリカという名前が付いた。これがアメリカ大陸という名を用いた最初の例となった。>とあります。
因みに、アメリカ合衆国あるいはアメリカ州の古名・別称・雅名に「コロンビア(Columbia)」という単語があります。
「コロンビア(Columbia)」という言葉は、アメリカ大陸の「発見」者として評価された時代に、クリストファー・コロンブスに由来する名称で、「コロンブスの地」「コロンブスの国」の意味です。
日本のことを「大和・倭 やまと」の国と呼ぶように、「コロンビア(Columbia)」はアメリカの別称・雅称として多くの団体や物・事の名称として用いられています。
以上。
Mahalo.
Text by Caroline Kazeda CEO at LIHIU
【References 参考データ】
■Christopher Columbus - From Wikipedia, the
free encyclopedia
■Columbus Day - From Wikipedia, the free encyclopedia
■United States - From Wikipedia, the free
encyclopedia
■Discovery Day - From Wikipedia, the free
encyclopedia
■Discoverers' Day - Hawaii State Legislature
■Discoverers Day in Hawaii - Island Pacific
Academy
■American Indian Movement - From Wikipedia,
the free encyclopedia
■Amerigo Vespucci - From Wikipedia, the free
encyclopedia
■Hawaii - From Wikipedia, the free encyclopedia
■Hawaii.gov | The Official Website of the
Aloha State
■Americas - From Wikipedia, the free encyclopedia
■Indigenous peoples of the Americas - From Wikipedia, the free encyclopedia